愛犬との暮らしを考える調査レポート
犬のしつけに悩んだら飼い主523人・ドッグトレーナー501人への調査から考える愛犬との向き合い方
調査実施:2022年3月18日〜19日
来客に吠える、家具を噛む、トイレを失敗する。愛犬との暮らしのなかで、どう教えたらよいのか迷うことはありませんか。
2022年3月に実施した調査では、犬の飼い主523人のうち73.0%が、しつけに悩んだ経験があると回答しました。一方、ドッグトレーナー501人への調査からは、飼い主さんがよかれと思って続けている方法にも、見直しの余地があることがうかがえます。
この記事では、当時の調査結果を振り返りながら、愛犬に伝わりやすい教え方と、毎日の暮らしで意識したいことを紹介します。
飼い主の73.0%がしつけに悩んだ経験あり
出典:株式会社ネイチャーリンクス「ペットのしつけ」に関する調査(2022年)
「犬のしつけで悩んだことはありますか」という質問に対し、「ある」と回答した飼い主さんは73.0%でした。
悩んだ経験がある382人に具体的な内容を聞いたところ、最も多かったのは、インターホンや他人に対して吠えてしまうことでした。
| しつけで悩んだこと | 回答割合 |
|---|---|
| インターホンや他人に吠えてしまう | 51.6% |
| 噛むくせがある | 25.4% |
| イタズラをする | 24.1% |
| 散歩の際にリードを引っ張る | 21.7% |
| どこでも排泄してしまう | 21.2% |
※しつけに悩んだ経験がある飼い主382人への質問。複数回答の上位5項目。
自由回答でも、来客への吠えが続く、家具を噛む、ゴミ箱をあさるといった、日常生活での困りごとが挙げられました。
しつけの悩みは、特別な家庭だけに起きるものではありません。まずは、どのような場面で困る行動が起きているのかを整理することから始めてみましょう。
しつけの手応えを感じる一方で約3割は不安も
出典:株式会社ネイチャーリンクス「ペットのしつけ」に関する調査(2022年)
普段のしつけについては、「いけないことをしたときは叱る」が59.1%、「褒めて教える」が47.4%、「トイレの場所を覚えさせる」が43.2%でした。
また、今の方法でしつけがうまくいっていると思うかを尋ねると、「とてもそう思う」が18.2%、「ややそう思う」が50.5%。合わせて68.7%が、一定の手応えを感じていました。
その一方で、「あまりそう思わない」は26.6%、「全くそう思わない」は4.7%でした。合計31.3%が、うまくいっているとは感じていない結果です。
なお、これらは飼い主さん自身の評価です。回答割合だけで、特定のしつけ方法の効果や正しさを判断できるわけではありません。
トレーナーの90.6%が教え方の見直しを感じている
出典:株式会社ネイチャーリンクス「ペットのしつけ」に関する調査(2022年)
ドッグトレーナー501人に、誤ったしつけをしている飼い主が多いと感じるかを聞いたところ、「とても多い」が45.9%、「やや多い」が44.7%で、合計90.6%となりました。
ここで注意したいのは、この数字が「飼い主の90.6%はしつけを間違えている」という意味ではないことです。あくまで、回答したトレーナーが現場で感じている傾向を示しています。
続いて、「少ない」以外を選んだトレーナー491人に、誤りだと感じる方法を尋ねたところ、「常にご褒美を与える」が43.6%、「吠えているときに叱る」が38.5%、「上から見下ろして叱る」が29.9%でした。
出典:株式会社ネイチャーリンクス「ペットのしつけ」に関する調査(2022年)
ただし、これも調査回答であり、それぞれの方法を比較して効果を検証した実験ではありません。特に、ご褒美については「使ってはいけない」と受け取らないことが大切です。
ご褒美はできた行動を伝えるために使う
ご褒美を使って、望ましい行動を教えることは、犬のトレーニングで推奨されている方法です。米国獣医動物行動学会(AVSAB)も、報酬を用いたトレーニングを勧めています。参考:AVSABのトレーニング方針
大切なのは、ご褒美の有無だけでなく、どの行動に対して、いつ与えるかです。
たとえば、落ち着いて座れたときにすぐ褒め、ご褒美を与えると、教えたい行動とよい結果を結びつけやすくなります。「できたこと」を見つけ、その場で伝えることを意識しましょう。望ましい行動を報酬で強化する考え方は、AVSABでも紹介されています。参考:報酬を用いたトレーニングとは
元の調査でも、トレーナーの自由回答には、できたことをすぐ褒める、犬の気持ちに寄り添う、日頃のコミュニケーションを増やすといった意見が寄せられていました。
叱る前に行動が起きる場面を見直す
吠えたり噛んだりする行動が続くと、つい強く注意したくなることもあるでしょう。しかし、犬を怖がらせたり、痛みを与えたりする方法は避けたいところです。AVSABは、そうした方法が犬の福祉や飼い主との関係に悪影響を及ぼすおそれを示しています。参考:人道的な犬のトレーニングに関する声明
相談するときには、「何をしたか」だけでなく、直前に何があったか、どこで起きたか、その後にどのように対応したかを記録しておくと、状況を伝えやすくなります。
困りごとが続く場合は、報酬を用いた方法で指導するトレーナーなどに相談し、愛犬の様子に合った進め方を一緒に考えましょう。
食事のルールは暮らしや健康状態に合わせて
出典:株式会社ネイチャーリンクス「ペットのしつけ」に関する調査(2022年)
食事に関する質問では、トレーナー491人の回答で最も多かったのは「食事の時間を決める」の38.1%でした。次いで、「いつでも食べられると思わせないこと」が32.3%、「ねだられても許可しない」が18.4%でした。
これらは、当時の調査で寄せられた食事管理への意見です。すべての犬に同じ食事時間や与え方を当てはめるのではなく、個々の生活や健康状態に合わせて考える必要があります。
毎日の食事やご褒美について、誰が、いつ、どのくらい与えているかを家族で共有しておくと、管理の状況を把握しやすくなります。療養中などで食事の指示を受けている場合は、その指示を優先しましょう。
愛犬に伝わる教え方を少しずつ
今回の調査では、多くの飼い主さんが、吠えや噛み癖などのしつけに悩んでいることがわかりました。取り組みに手応えを感じる方がいる一方で、うまくいかずに迷っている方も少なくありません。
見直したいのは、愛犬に何をしてほしいのかが伝わっているかという点です。できた行動をその場で褒めること、困りごとが起きる状況を把握すること、必要に応じて専門家と進めること。日々の関わりを少しずつ整えながら、愛犬と暮らしやすい方法を見つけていきましょう。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名 | 「ペットのしつけ」に関する調査 |
| 調査期間 | 2022年3月18日~3月19日 |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査対象と人数 | 犬を飼っている方523人、ドッグトレーナー501人 |
| 調査実施企業 | 株式会社ネイチャーリンクス |
| モニター提供元 | ゼネラルリサーチ |
| 元記事公開日 | 2022年3月30日 |
調査数値は、提供された株式会社ネイチャーリンクスのプレスリリースに基づきます。回答対象は質問ごとに異なり、複数回答の項目では割合の合計が100%を超えます。しつけに関する補足は、本文中に記載したAVSABの資料を参照しています。

